2相カウンタとは、入力端子を2つ占有し、2相の入力信号を計測するカウンタです。
LT3000シリーズでは最大2つ使用することができ、1つ使用する場合はX0とX2の入力端子を、2つ使用する場合はX0とX2およびX4とX6の入力端子を使用します。LT4000シリーズでは1つ使用することができ、X0とX1の入力端子を使用します。
複数の入力端子を占有することから、単相カウンタと比べて割り付ける端子配列が多少異なりますが、プリロード入力、プリストローブ入力、一致出力の機能や設定方法については、単相カウンタと同様になります。
2相カウンタの主な機能を下表に示します。
一部の設定については、ロジックプログラムのI/Oドライバ命令でも行うことが可能です。
32.23 I/Oドライバ命令
機能概要 |
参照先 |
外部信号でカウンタ現在値のクリア |
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高速カウンタの開始と停止 |
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高速カウンタの開始と停止のステータスを確認 |
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外部信号で高速カウンタの開始と停止 |
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カウンタ現在値の書き換え |
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カウンタ現在値の記憶(読み出し) |
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カウンタ現在値が指定値を超えたときに出力 |
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ロジック停止時のカウンタ値保持 |
計測方法として、「位相計数モード0」から「位相計数モード3」まで、計4種類のモードがあります。
モード0(2相4逓倍)
カウンタA(A相)がカウンタB(B相)より進み位相である場合はアップカウントとして動作し、カウンタA(A相)がカウンタB(B相)より遅れ位相である場合はダウンカウントとして動作します。
LT4000シリーズで[2相4逓倍 反転]を選択するとアップカウントとダウンカウントを反転させることができます。
カウンタA(A相)がカウンタB(B相)より進み位相の場合
カウンタA(A相) |
カウンタB(B相) |
動作内容 |
1 (High) |
立ち上がりエッジ |
アップカウント |
0 (Low) |
立ち下がりエッジ |
|
立ち下がりエッジ |
1 (High) |
|
立ち上がりエッジ |
0 (Low) |
カウンタA(A相)がカウンタB(B相)より遅れ位相の場合
カウンタA(A相) |
カウンタB(B相) |
動作内容 |
0 (Low) |
立ち上がりエッジ |
ダウンカウント |
1 (High) |
立ち下がりエッジ |
|
立ち下がりエッジ |
0 (Low) |
|
立ち上がりエッジ |
1 (High) |
モード1(カウント+方向)
カウンタA(A相)の立ち上がりエッジでカウントを行います。カウンタB(B相)が0(Low)の場合はアップカウントとなり、1(High)の場合はダウンカウントとなります。
LT3000シリーズのみサポートします。
カウンタA(A相)がカウンタB(B相)より進み位相の場合
カウンタA(A相) |
カウンタB(B相) |
動作内容 |
1 (High) |
立ち上がりエッジ |
カウントしない |
0 (Low) |
立ち下がりエッジ |
|
立ち下がりエッジ |
1 (High) |
|
立ち上がりエッジ |
0 (Low) |
アップカウント |
カウンタA(A相)がカウンタB(B相)より遅れ位相の場合
カウンタA(A相) |
カウンタB(B相) |
動作内容 |
0 (Low) |
立ち上がりエッジ |
カウントしない |
1 (High) |
立ち下がりエッジ |
|
立ち下がりエッジ |
0 (Low) |
|
立ち上がりエッジ |
1 (High) |
ダウンカウント |
モード2(アップ+ダウン)
カウンタA(A相)の立ち上がり時にカウンタB(B相)が0(Low)の場合はアップカウントとなり、カウンタB(B相)の立ち上がり時にカウンタA(A相)が0(Low)の場合はダウンカウントとなります。
LT3000シリーズのみサポートします。
カウンタA(A相)がカウンタB(B相)より進み位相の場合
カウンタA(A相) |
カウンタB(B相) |
動作内容 |
1 (High) |
立ち上がりエッジ |
カウントしない |
0 (Low) |
立ち下がりエッジ |
|
立ち下がりエッジ |
1 (High) |
|
立ち上がりエッジ |
0 (Low) |
アップカウント |
カウンタA(A相)がカウンタB(B相)より遅れ位相の場合
カウンタA(A相) |
カウンタB(B相) |
動作内容 |
0 (Low) |
立ち上がりエッジ |
ダウンカウント |
1 (High) |
立ち下がりエッジ |
カウントしない |
立ち下がりエッジ |
0 (Low) |
|
立ち上がりエッジ |
1 (High) |
モード3(2相2逓倍)
カウンタB(B相)の立ち上がりエッジと立ち下がりエッジでカウントを行います。カウンタA(A相)がカウンタB(B相)より進んでいる場合はアップカウントとなり、カウンタA(A相)がカウンタB(B相)より遅れている場合はダウンカウントとなります。
LT4000シリーズで[2相2逓倍 反転]を選択するとアップカウントとダウンカウントを反転させることができます。
カウンタA(A相)がカウンタB(B相)より進み位相の場合
カウンタA(A相) |
カウンタB(B相) |
動作内容 |
1 (High) |
立ち上がりエッジ |
アップカウント |
0 (Low) |
立ち下がりエッジ |
|
立ち下がりエッジ |
1 (High) |
カウントしない |
立ち上がりエッジ |
0 (Low) |
カウンタA(A相)がカウンタB(B相)より遅れ位相の場合
カウンタA(A相) |
カウンタB(B相) |
動作内容 |
0 (Low) |
立ち上がりエッジ |
ダウンカウント |
1 (High) |
立ち下がりエッジ |
|
立ち下がりエッジ |
0 (Low) |
カウントしない |
立ち上がりエッジ |
1 (High) |
LT3000シリーズ
[プロジェクト]メニューの[システム設定]-[I/Oドライバ設定]をクリックします。
[内部ドライバ1]画面で[2相カウンタを使用する]にチェックを入れ、[2相カウンタ設定]をクリックします。
[2相カウンタ設定]ダイアログボックスが表示されます。位相係数モードのプルダウンメニューからモードを選択します。
LT4000シリーズ
[プロジェクト]メニューの[システム設定]-[I/Oドライバ設定]をクリックし、[2相カウンタ]にチェックを入れます。
[CH1&CH2]タブの[位相計数モード]からモードを選択します。