31.5.6.5 プリロード(現在値変更) - 高速カウンタ(単相設定、LTシリーズ)

プリロードとは、高速カウンタの現在値を任意の値(プリロード値)に書き換える機能です。書き換えは、外部端子からの入力信号(プリロード入力)またはシステム変数"#L_ExIOCntInExtCtrl"を使い実行します。

A: プリロード入力または#L_ExIOCntInCtrlの書き換え実行ビット

PLV: プリロード値

概要

GP-Pro EXでプリロード値の初期値を設定することができます。システム稼動後にプリロード値を変更するには、システム変数またはロジック命令"HSCX"を使います。ここでは、システム変数での手順を説明します。

以下にプリロード(現在値変更)の設定手順とシステム稼動後の操作手順の概要を示します。

初期値設定手順

"GP-Pro EXでの設定手順"を参照してください。

 

プリロード値への書き換え手順

  1. 外部入力もしくはシステム変数"#L_ExIOCntInCtrl"でプリロード値への書き換えを実行

  2. 書き換え処理の結果を確認

 

システム稼動後の設定値変更手順

  1. システム変数"#L_HSC*_PLV"にプリロード値を設定

  2. システム変数"#L_ExIOSpParmChg"の「特殊I/Oパラメータ変更要求」でパラメータの設定

  3. システム変数"#L_ExIOSpParmChg"の「特殊I/Oパラメータ変更完了」でパラメータが変更されたことを確認

GP-Pro EXでの設定手順

LT3000シリーズ

  1. [プロジェクト]メニューの[システム設定]-[I/Oドライバ設定]をクリックし、[内部ドライバ1]画面で[高速カウンタ設定]を選択します

  2. [高速カウンタ設定]をクリックし、表示されたダイアログボックスで[プリロード値(PLV)]を設定します。

 

LT4000シリーズ

  1. [プロジェクト]メニューの[システム設定]-[I/Oドライバ設定]をクリックし、[機能]で[高速カウンタ]を選択します。

  2. [プリロード値(PLV)]にプリロード値を設定します。

 

プリロード値への書き換えを実行

高速カウンタの現在値をプリロード値に書き換えるには、入力端子からの信号もしくはシステム変数"#L_ExIOCntInCtrl"の2通りの方法があります。

入力端子からの信号による書き換え

[I/Oドライバ設定]で指定したプリロード入力端子の信号をONまたはOFFにすることで、プリロード値への書き換えを行います。

#L_ExIOSpCtrl a: 高速カウンタ制御ビット

PLV: プリロード値

#L_HSC*_HCV: カウンタ現在値

X1: 外部入力(プリロード入力信号)

 

#L_ExIOCntInExtCtrl
 a: プリロード動作完了ビット
 e: プリロード完了確認ビット

1) システム変数"#L_ExIOSpCtrl"の高速カウンタ制御ビット(a)をONにして、カウント処理を開始します。

2) プリロード入力(X1)がONになると、プリロード値(100)でカウンタ現在値(#L_HSC*HCV)を書き換えます。

3) 書き換えが完了すると、システム変数"#L_ExIOCntInExtCtrl"のプリロード動作完了ビット(a)がONになります。

4) "#L_ExIOCntInExtCtrl"のプリロード動作完了確認ビット(e)をONにすると、自動的にプリロード動作完了ビット(a)がOFFになります。プリロード動作完了確認ビット(e)は自動的にOFFにはなりません。

高速カウンタ、2相カウンタの拡張入力(プリロード/プリストローブ/マーカ)の制御や状態確認をするためのシステム変数です。

 

ビット番号

機能

種類

詳細

表示器

LT4000

LT3000

a

4(n-1)+0

プリロード動作完了

ステータス

プリロード入力をトリガにして、現在値をプリロード値で書き換えるとONになります。

このビットは、プリロード完了確認ビット(e)をONにすると自動的にOFFになります。

e

4(n-1)+16

プリロード完了確認

コントロール

立上り

プリロード動作完了ビット(a)がONになったことを確認し、このビットをONにしてください。

*各CHに該当するビット番号は、"n"にCH番号をあてはめて計算してください。

 

システム変数による書き換え

システム変数"#L_ExIOCntInCtrl"のプリロード要求ビットをONにすることで、プリロード値への書き換えを行います。

#L_ExIOSpCtrl a: 高速カウンタ制御ビット

PLV: プリロード値

#L_HSC*_HCV: カウンタ現在値

 

#L_ExIOCntInCtrl
 c: プリロード要求ビット
 g: プリロード動作完了ビット

1) システム変数"#L_ExIOSpCtrl"の高速カウンタ制御ビット(a)をONにして、カウント処理を開始します。

2) システム変数"#L_ExIOCntInCtrl"のプリロード要求ビット(c)がONになると、プリロード値(100)でカウンタ現在値(#L_HSC*HCV)を書き換えます。

3) 書き換えが完了すると、システム変数"#L_ExIOCntInCtrl"のプリロード動作完了ビット(g)がONになります。

4) 書き換えの完了を確認し、"#L_ExIOCntInCtrl"のプリロード要求ビット(c)をOFFにすると、自動的にプリロード動作完了ビット(g)もOFFになります。

高速カウンタ機能の操作や動作確認をするためのシステム変数です。高速カウンタを割り付けたCHによって、使用するビットが異なります。

 

ビット番号

機能

種類

詳細

表示器

LT4000

LT3000

c

4(n-1)+2

プリロード値への書き換え実行

コントロール

立上り

高速カウンタの現在値をプリロード値で書き換えます。

このビットは、書き換え完了確認ビット(g)をONにすると自動的にOFFになります。

g

4(n-1)+19

書き換え完了確認

ステータス

プリロード値への書き換え実行ビット(c)をトリガにして、書き換えが完了するとONになります。

*各CHに該当するビット番号は、"n"にCH番号をあてはめて計算してください。

 

システム稼働後のプリロード値の変更手順

表示器上でプリロード値を変更するには、システム変数"#L_HSC*_PLV"にプリロード値を書き込み、"#L_ExIOSpParmChg"でパラメータ変更を使います。

1) システム変数"#L_HSC*_PLV"にプリロード値(200)を書き込みます。

2) システム変数"#L_ExIOSpParmChg"の特殊I/Oパラメータ変更要求ビット(a)をONにし、特殊I/Oのプリロード値"PLV"を書き換えます。

3) 特殊I/Oのパラメータ書き換えが完了すると、システム変数"#L_ExIOSpParmChg"の特殊I/Oパラメータ変更完了ビット(e)がONになります。

4) 書き換えの完了を確認し、特殊I/Oパラメータ変更要求ビット(a)をOFFにします。特殊I/Oパラメータ変更要求ビットをOFFにすると、自動的に特殊I/Oパラメータ変更完了ビット(e)がOFFになります。

 

特殊I/Oパラメータ変更要求(#L_ExIOSpParmChg)

 

ビット番号

機能

種類

詳細

表示器

LT4000

LT3000

a

4(n-1)+0

特殊I/Oパラメータ変更要求

コントロール

立上り

特殊I/Oの設定値の書き換えを行います。システム変数に設定した値を特殊I/Oのパラメータに書き込みます。

b

4(n-1)+1

特殊I/Oパラメータ読み出し要求

コントロール

立上り

特殊I/Oのパラメータ値をシステム変数に読み出します。

e

4(n-1)+16

特殊I/Oパラメータ変更完了

ステータス

ビット(a)によるパラメータの変更が完了するとONになります。

ビット(a)をOFFにすると、このビットも自動的にOFFになります。

g

4(n-1)+17

特殊I/Oパラメータ読み出し完了

ステータス

ビット(b)によるパラメータの読み出しが完了するとONになります。

ビット(b)をOFFにすると、このビットも自動的にOFFになります。

*各CHに該当するビット番号は、"n"にCH番号をあてはめて計算してください。